瑤臺 

 

土の空間で行われた「 瑤臺 」と名付けられた洪聿文氏による料理と黃揚智氏による茶は、此世と彼岸のあいだにいるような時間でした。草臥れたいろの蓮の葉に包まれた粽、蓮花に包まれた野放茶の芳しい味、錆れた石井直人の豆花鉢と金森正起氏の銀の蓮弁でいただく豆花は、蓮の実が玉のように散りばめらていました。それは白居易の琵琶行にある一節「大珠小珠落玉盤」の姿を、豆花に見立てたものでした。錆びた豆花鉢に、温かな豆花は、甘くてほろ苦い味わい、生の蓮の実はふっくらと豊かでした。古琴の蓮の音色が響きわたるなかに。

独華陶邑の一度の窯には約千個ほどのやきものが焼かれます。今年の窯には豆花鉢が五十個ほど入りました。その中の一つに仏のような姿が豆花鉢に焼き付いていました。その理由を探していましたが、この時間に答えを見出したように思います。純粋なる意識の世界は自ずと全てが繋がっていて、またその波が響き渡り、心でも音色を奏でるようです。それが私たちにとって、ものをつくる理由の一つでもあるように思います。皆さまへの感謝とともに。

 

《瑤臺》

器|石井直人 銀蓮華|金森正起

料理|洪聿文
茶人|黃揚智

〈尋香〉
樂|古琴 蔡德允 〈平沙落雁〉
茶| 二〇二六 坪林野放紫芽山茶
食|蓮葉飯 蓮藕 香菇雞湯

〈瑤臺〉
樂|南管 王心心〈心經〉
茶|二〇二六 坪林野放包種 蓮花茶

〈回魂〉
樂|一九八八  南管 蔡小月|臺南南聲社〈昨暝一夢〉〔相思引・南相思〕
茶| 一九八〇 宮廷普洱

〈玉盤〉
樂|古琴 蕭挹庭〈蓮〉
食|蓮子豆花

 

於 |  vague kobe 石井直人 返歌  二〇二六年 九月 四日、五日

写真 | 黃揚智